火打ち梁とは?おしゃれな見せ方もご紹介

火打梁

日本の木造住宅には欠かせない「火打梁」。

通常の梁とは異なり、縦横に交差した梁に対して斜めに取り付けられたものです。

普段あまり目にすることはありませんが、建築現場などで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は火打梁とは何か、おしゃれな活用事例と共にご紹介します。

火打ち梁とは

「火打梁(ひうちはり)」とは木造の建築において床や屋根を支える骨組みを補強するものです。

写真のように、角に対して、直角三角形をつくるように梁を斜めに取り付けます。

おもに2階の床や屋根を支える骨組みに使われる斜めの梁を「火打梁」、1階の床に使われるものは「火打土台」と言います。

火打梁

火打梁で補強をすることにより、地震や台風時に建物が揺れて水平方向に変形するのを抑える効果があります。

日本は自然災害が多いので、建物を守る為に建築基準法にも火打梁の設置が定められています。

「床組及び小屋ばり組の隅角には火打材を使用し、小屋組には振れ止めを設けなければならない」

建築基準法施行令第46条第3項

梁と梁が交わる四隅には火打梁を使用しなければいけないということですね。

火打ち梁の仕組み

火打梁の無い床はシンプルな四角形ですが、四角形は安定しておらず、簡単に形が変わってしまいます。

対して三角形は、力が加わっても変形しにくい形です。

火打梁を付けることで四角形のなかに三角形が生まれ、地震などの揺れがきてもゆがみが起こりにくくなるのです。

同様の仕組みで、柱と柱の間に「筋交」と呼ばれる斜めの部材を入れて垂直方向のゆがみも防いでいます。

火打梁

×の形に交差しているものが筋交です

※緑色の部分は防蟻処理のホウ酸塩を塗った場所です。

火打ち梁が必要な場所

建築基準法の「隅角には火打材を使用し、小屋組には振れ止めを設けなければならない」ということ以外にも、火打梁を付ける基準が設けられています。

フラット35の「品格性能表示評価基準」では、火打梁に囲まれた面積が16平方メートル以下となることが推奨されています。

16平方メートルは約10畳です。これを超える広さの場合は火打梁が必要となってくるため、例えば大きな吹き抜けをつくる場合は見える位置に火打梁が出てくる可能性があります。

火打梁のおしゃれな見せ方

火打梁は通常天井などの目に見えない部分に隠れていますが、上記で説明したように大きな吹き抜けをつくる場合は見えることがあります。

そのままでもアクセントとなりおしゃれですが、少しアレンジすることで魅力がアップします。

1.間接照明で高級感

火打梁を板状にし、上に間接照明を設置しました。

上へとのびる明かりが吹き抜けの開放感を際立たせ、上品な空間に。

火打梁

2.足場に

手すりを設けて吹き抜けへと出られる足場にしました。窓の開け閉めやお掃除にも便利です。

火打梁

まとめ

自然災害から家を守ってくれる火打梁。

火打梁を見せた吹き抜けも木の家らしさが出て素敵ですね。

ご紹介したおしゃれな活用方法以外にも、植物を吊り下げたり、ハンモックを掛けたりすることもできるようです。

火打梁の多くは家が完成すると見えなくなってしまうので、現場に訪れた際はぜひ確認してみて下さい。